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2006・10・14(SAT)
ねむらんて
ねむれ ねむれ ねむらあた
ねむれ ねむれ ねむりの子
かがやく光り ごうるどの
花はひまわり すてんど・ぐらす
青いあぽろん おとずれるまで
可愛い手足のびろうどよ
ねむれ ねむれ ねむらあた
ねむれ ねむれ
ね・む・ら・あ・た
月の女神にてらされて
清い心で ねむらんて
あまつの星座 瞳へのせて
うれいとなげき わすらんて
朝日のとびら ひらくまで
めぐみゆたかに ねむらんて
ねむれ ねむれ ねむらあた
ねむれ ねむれ
ね・む・ら・あ・た
2006・10・13(FRI)
マジック タイム
地球はむかし暗かった
だから夢がよく見えたんだ
帰ろうよ、君
ほんのつかのまでもいいから
夢がよく見えた
あの魔法の時へと
2006・10・05(THU)
宇宙的感覚
どんなに暗くて冷たい道のりであっても
どんなに辛くて惨めな試練であっても
自分の受皿をしっかりとにぎりしめて
たえず前向きに歩いてゆこうよ
おまえ自身が美しい光であるのだから
身幅は量りの知れない銀河の断片だから
きっと宇宙的感覚で守られているのだから
2006・10・03(TUE)
風の花伝書
今日というあらたかな風のなかを
ふるい夢をみつめながら
ふるい思いに生きて
ふるい友と手をつなぎ
ふるい場所を静かに歩く
ふるい風の吹く場所には
あらたかな友の手がさしのべられ
あらたかな思いが湧き
あらたかな夢がふくらみ
あらたかな風が吹く
だからふるい風のなかで
ふるくてあらたかな風の花伝書を読みながら
ふるい思いに生きて
ふるい友と手をつなぎ
ふるい場所を静かに歩く
ふるい風はあらたかで
なんと美しいことなのだろうか
今日というこの日
あらたかでふるい国風のなかを
とどまることなく歩いてゆこうよ
2006・10・01(SUN)
キリエ
ぼくたちにはわからないことがいっぱいだ
わたしたちにはしらないことがいっぱいだ
野性の動物たちがオシッコの置手紙を残してゆく
なんと書いていったのだろうか
ぼくたちにはわからないことがいっぱいだ
わたしたちにはしらないことがいっぱいだ
野原に咲いている水仙の香りをかいでいると
どうして頭痛がおさまるのだろうか
ぼくたちにはわからないことがいっぱいだ
わたしたちにはしらないことがいっぱいだ
小鳥たちが蔦草の羅甸語でキリエを歌っている
なんと口づさんでいるのだろうか
ぼくたちにはわからないことがいっぱいだ
わたしたちにはしらないことがいっぱいだ
2006・09・30(SAT)
弱いもんいじめ
ギュギュッとツバメの赤ちゃんたちをにぎり潰しやがった
もう孵れなくしちまったんだぞ
親鳥の糞が落ちるから汚いだって
だったらよけて通ればいいじゃないか
人間はいつからそんなにえらくなったんだい
おい「きさまだぞ。クソったれの成金め」
お母さんやお父さんたちと一緒に
南の国へもう還れなくしちまったぞ
臭くて汚いのはきさまらだ
チッチッとツバメの赤ちゃんたちが愛されて鳴いていた
そんな時代もあったけ
だがどこのどいつがこんな国にしちまったのか
弱いもんいじめばかりしやがって
なにが「記憶にございません」てんだ
こんちくしょうのクソったれめ
お兄ちゃんやお姉ちゃんたちと一緒に
ぼくも王家の谷へ還りたかったな
ロゼッタ山がある希望の国へと
2006・09・21(THU)
失くした尾っぽ
むかしむかしのそのむかし
人はながくて奇麗な尾っぽを失した
むかしむかしのことだけど
失した尾っぽの偉大さに
失した尾っぼのはかなさに
人はステッキに恋慕する
元帥さんはダイヤモンドのバトンを愛し
ジェニトルマンは象牙を愛す
女たちは素敵な男の腕をステッキに
尾のない尻をふりふり上げて歩きだす
いねむり小僧さん頬杖ついた
爺さん婆さん杖つきゃ「乃」の字
むかしむかしのそのむかし
人はながくて奇麗な尾っぽを失した
むかしむかしのことだけど
失した尾っぽの偉大さに
失した尾っぽのはかなさに
人は乃の字乃の字と杖つきながら
のたりのたりと暮れてゆく
2006・09・19(THE)
鬼
さては散歩か錦狩り
一の坂 二の坂 三の坂越えて
四の坂まできてみたけれど
池の水が美しくなっていたよ
鯉が三匹 スーッと泳いでいたよ
紅葉くれないに燃えて
もう 素人うけするけれども
あのヒキガエルどこへ行ったのだろうか
苔のうえに行儀よく座っていた
ピエト・モンドリアンの蛙よ
君はいつでも数学的な法則によって
聖なる比例へ正座をしていた
忍耐づよく
もっとも美しいところへ鎮座する賢者よ
卓越したその姿は目立たないが
とても凛々しかったよ
だが
二度と君を見つけることはできない
どこへ追われて行ってしまったのだろうか
どこに戸隠れてしまったのだろうか
「あら‥‥鯉!」だなんて
それはそれで良いけれども
あの賢者
ほんとうにどこへ行ってしまったのだろうか
ふるい城跡に残されていた矩形ケ池の
―――ヒキガエルよ
どこかでいまも生きているのだろうか
生きていてほしいな
ピエト・モンドリアンの蛙よ
霰釜のような甲冑を身におびた蟇よ
鬼よ
2006・09・16(SAT)
艤装儀式
かの人の命日には
駄菓子屋さんに置いてあるような
まるくて大きいガラスの瓶へ
たっぷりと水を点てようか
そして
かの人が母様とわかれて
くるしみの旅へ踏みだすまえの
まだ羊水にいたころの
あの
出船のような
胞衣へ風をはらんで臍の緒を切った
祝祭的な艤装を懐しもうよ
今日は
かの人の命日なのだから
2006・09・14(THU)
首まつり
滅び落ちてしまった山城の
ふるい瓦は掘りおこさないでほしい
大地にもっとも近いところで
ちいさな虫けらどもといっしょに
こうして静かに生きつづけてきたのだから
だから覇者よ
これ以上おいらには近づかないでほしい
流された首塚の血と石ころとで育った
あかむらさきの煩悩にもにた
円環の
蛇の目の傘の初茸なのだから
おいらには歳老いた母がいて
老残の身のたのしみといえば首塚の首供養
滅び落ちてしまった山城の
首板のようなふるい瓦を掘りおこして
秋にわたしをみつけだすことだけなのだから
だから覇者よ
これ以上初茸の首には近づかないでほしい
化身をほどこしたこの生首は
唯一その人だけのものなのだから
ほら
ごらん
母の手の指さきが
こんなに近くまでやってきた
2006・09・11(MON)
二つの獲物
仮面をかぶって風下から近づいてくる人間どもがいたら気をつけよう
おまえとおなじ毛皮を身にまとい
おまえとおなじ匂いを陽炎に見立てながら
すんなりとはいかない足音を曳きづってやってくる人間どもがいたら
その見せかけの友情に気をつけよう
ほんとうの友情に仮面など必要ではないからだ
おまえの血と肉と骨と毛皮がかれらの目的なのだから
おまえの叡知
おまえの孤独を理解したふりをしているだけなのだから
風上に座って静かに本を読んでいる一人の人間がいたら
その人へ近づかなくても
無用の声がおまえにもしっかりと聞こえてくることだろう
その人の心臓がおまえの心臓と重なりあって
ふたりして沈黙の音楽を奏でることができるならば
その人がおまえの血と肉と骨と毛皮が必要であるというのであれば
おまえがその人の血と肉と骨と毛皮が必要であるというのであれば
そのときは
一つ夢のなかで二つの獲物を仲良く裂きわけ与えあおうよ
2006・09・09(SAT)
遠吠え
ピッケルを投げるなんて卑怯だぜ
高い岩の上からこちらへむかって投げるなて
お乳をのんでいる子どもたちがいたのに
氷のつぶてよりも恐ろしい
おまえたちの心をおれたちは許さない
途中 白い花の十字架になって
むこうの谷へ飛んでいったからいいよなものの
卑怯な手はつかわないでほしい
ピッケルは投げないでほしい
おれたち掟をいまも守っていて
おまえたちを襲いはしないのだから
だから 卑怯な手はつかわないでほしい
おれたちに起こりうる受難なら
おまえたちにも十分に起こりうることなのだ
「うふふ」
はやくおかえり
おまえたちのガキどもが待っている都へ
2006・09・07(THU)
西東征物語 三首
荒野ゆく
しろしゐのしし
姫さまだ
いぶき山神
たけるをたたる
梨園に
おちてゐる玉
ひはもえぎ
皇族将軍
いたつきの味
くれまどひ
ごろにやんベッド
墓地へ寝る
あかいの夕焼け
しろいの銀河
2006・09・05(TUE)
シャマン
やまの
頂上へ
のぼったら
両手を
ひ
ろ
げ
て
(音叉)を
な
ら
そ
う
そして
静かに
このやまを
下ろう
2006・09・04(MON)
の鳩
三進小銃器製作所
電線の上の
の鳩ででっぽう
十七
十八
二十羽が
白玉黒玉
糞
発射して主人を狙う
2006・09・03(SUN)
弾丸列車
石組でできた
アーチ形の橋の上を
血の赤い色に輝く
超特急が走る
なんとはない青い空と
灰いろの道
その一直線を
こちらに向かってやってくる
スピードは新幹線に及ばないが
あいつに殺られたら
獣道だったのに
もう祖国へはたぶん絶対に帰れないだろうな
お土産を口にくわえた
出稼ぎの君は
2006・09・02(SAT)
利休ねずみ男
え! 奴がいっちまったって
理想の足跡をどんなときでもはずさなかった
伊達なあの利休ねずみ男が死んだって
ちゃちな鉄のブタ野郎に頭蓋骨を踏みにじられて
有孔体にされちゃって
両耳がダンボちゃんのようにペシャンコになっちゃったなんて
畜生! やりやがったな
俺達の仲間がまた一人消滅しちまった
本覚坊が嘆くだろうな…
修道騎士団のいる洞窟のテーブルの上には
チェスのゲームの駒のような小さな喉仏の騎士たちが
まるで五百羅漢さんのように並んでいて
侵食して青く白く光ってる
副総長のソウジ大鼠殿
本部修道院長のオリベ鼠殿
各管区長のウラク鼠殿
各修院長のサンサイ鼠殿
修道騎士長のウコン鼠殿
ドナ!
ドナ・ドナ・ドンナ
みんな利休ねずみのいい奴らばかりだったが
吉凶! 泣こうがわめこうが
いずれ我らとてねはんの城へおもむく山路のしゅらドブ鼠
いま咲く野辺の山桜かな
2006・08・30(WED)
金塊和歌集
むかし むかし
みなもとの某(なにがし)の歌に
もののふの
矢並つくろふ(う)
籠手のうへ(え)に
霰たばしる
那須の篠原
と云ふ(う)歌がありて
われ愛づ(ず)るものなり
なにとなれば
むかし むかし
猟犬をつれて狩りをたのしむ武士(もののふ)が
那須の篠原で
ひとつがいの鹿と出逢ひ(い)て
まず一頭をしとめ
つづいて二頭と思ふ(う)やいなや
この鹿は金塊(ダイヤモンド)となりて
みなもとの某の眼球をくらました
金塊の鹿を見失ひ(い)てのち
心かきみだされて
某は「千古に一人」の歌読みとならん
かの鹿とは汝なり
二の矢をつがんと思ふ(う)刹那
霰たばしりて眉間はげしく打たれたる某は
汝を神仏と見誤りて
南無八幡へ懴悔せしこと二十八たび
かずかずの歌を道連れに
若くして昇天する
2006・08・29(THU)
野獣夜曲
ゆうべみたゆめ あかい夢
かなしい獣のソプラーノ
ピストルかついだ狩人が
どんと火花をうちあげた
兎も 狐も 狼も
鷹も 野鼠 山吹も
しんしんしんしん目をとじる
しんしんしんしん目をとじた
森にしとしと雨がふり
しとしとしんしん片付ける
ゆうべみたゆめ あかい夢
心がびっしり濡れました
2006・08・28(MON)
五ぞろのどっぱ
五「お仲間さんにござんすか、ウオ ウオ ウオオオオー。
甲「お仲間さんにがんすよ、うほ うほ うほほほほー。
五「遠吠えのご挨拶はさせていただきやしたが、巣穴を申しあげてお
りやせん。
甲「お互いさまにがんす。
五「手前、無用のながれ者にござんす。荒野にてお目にかかりやした
が、さっそくお仲間の仁義を切らせていただきやす。ウオ ウオ
ウオオオオー。
甲「お互いさまにがんす。うほ うほ うほほほほー。
五「手前、巣穴と発しやすれば伊賀にござんす。
甲「結構なところに発してがんす。
五「それほどのところじゃござんせんが、伊賀と申しましてもいささ
か広うござんす。伊賀はうえのの、おとぎ峠でござんす。
お互いけものみちの通行は大切にござんすから、毛並みお見知り
おきのうえぐるり万端よろしく、おたの申します。手前、属名を
発しまするは失礼にござんす。ヌクテといいやす。伊賀ヌクテと
名乗りやす。またの名前を、五ぞろのどっぱ(狼の足跡)といい
やす。
甲「さっそくのご挨拶ありがとうにがんす。うほ うほ うほほほ
ほー。
お言葉に申しおくれやしたが、手前ごとは甲賀にがんす。甲賀と
申しましても甲賀組の鉄砲打ちにがんす。へい、けものの皮をか
ぶった山師トマと名乗りやす。当時は縁もちまして残酷党の一党
にがんす。
五「ずいぶんと厄介なところに発してござんすな、くわばらくわば
ら。
甲「それほどのところじゃござんせんが、へい、お気の毒さま。
御免こうむりやす。
牙だせ! 毛皮だせ! ほい! 肉だせ! 骨だせ! 稼がせ
ろ。
牙だせ! 毛皮だせ! ほい! 肉だせ! 骨だせ! 稼がせ
ろ。
ほい! ほい! ほい!
2006・08・27(SUN)
友だち
おまえに友だちはいるのかい
そうさ
友だちだよ
信じることのできる友だちさ
ふん まあいいだろう
しかし気をつけるんだな
おまえの部下は
すべて街でつくられた機械人形ばかりだ
おまえが熱病で苦しんでいるのに
なんにもしてはくれなかった
戸板にすらのせてはくれなかったぞ
どうだい
俺がおまえの身体をたべてやろうか
楽になるぞ
俺はおまえの友だちだからな
2006・08・26(SAT)
ぱるちざん
もどりはし
えぞもくまそもつちくもも
おほえの山もいぶきの山も
みんなおまえの父さんだった
「父殺し・・・・・!」
おまえはかつて
前足とうしろ足と
尾と牙とで歩いていたんだ
いやだね
忘れちまったのかい
ほんのすこし前のことだったのに
ざっと雨でも降らそうか
ざっと風でも散らそうか
ほらほら犬歯が尾がのびてくる
おまえは小さな不定形のぱるちざん
「父親殺し! ぱるちざん」
2006・08・25(FRI)
いまの道のべ
やまのこえをきけ
おまえはやまの子どもなのだから
おまえの母は
やまとの国のおんなだった
めをさませ
おまえはやまの子どもなのだから
無用の風が
やまとやまとを犯すまえに
おもいだせ
おまえはやまの子どもなのだから
おまえはやまとの子どもなのだから
はやく母のやまへかえれ
はやく母のやまとへかえれ
ちぢにくだけん国境の
いまの道のべ
2006・08・24(THU)
九十五%の仲間たちは
こしたんたんと
猟師がきみを狙っているぜ
だって
きみたちは鋭い感覚を持った野生児だもの
残念だが
そうゆうことなのさ
ベルを鳴らせリンリンと
ベルを鳴らせソクソクと
九十五%の仲間たちは・・・・・
すでに死んでいるのだから
一人のこされ咲きにけり
一つのこりて咲きにけり
ふといづくからともなく君の声する
2006・08・23(WED)
首領星
ぽたりぽたりと
天のめぐみが落ちてくる
つめたいけれども
キラキラとする
わずかばかりの希望のような
ちいさな粒の鏡を飲んで
血塗られながらも
地下水道の抜け道を
尾と牙と爪と鼻とをひきずって
また
旅立ちて歩いてゆこうよ
音は立てず
比類なきものへ手を振って
ほら… あれがコミュニオンの
五十六億七千万年後の首領星(CMa)
カピトリーノのママンだよ
2006・08・22(THU)
死 鳥
特権的な
華氏四五一度がやってきて
美しい本を灰にする
活字は羽音をたてながら
天文星座の狭間をぬって消えてゆく
「不死鳥」とゆう名の表題であったが
死鳥はまた蘇るだろうか…
こんなふうに喪失をしちまって
めぐりあう後のことさえ知れずに
花も獣もnativeも
みんな死んでしまったら
ぼくたちは淋しくって
ね… 淋しくて
きっと死んでしまうだろう
時代はなにもかも長調だから
ぼくは短調を口ずさむ
オウウウウーと唇すぼめて
摩天楼の荒野ケ原を
ひたひたどんと放浪する
ひたひたどんどん放浪をする
2006・08・14(MON)
精 霊
見えるかい
見えるだろう
あんなに光っているのだから
おまえにもきっと見えているはずだ
気持ちをしっかりおちつけて
瞳をしずかに閉じてごらん
ほら金色のパラソルが
すっかり開いているのだから
2006・08・13(SUN)
種子学
ほんのすこし寒いけれども
氷の橋を渡ってごらん
世界はみんなつながっていて
ママンという白いオオカミの
可愛い子どもたちが跳ねている
おまえとかれらは兄弟だから
一族の受難の曲を
ウオオオーと合唱しょうよ
2006・08・12(SAT)
てりぶる
きみのような男なら
ほかにもたくさんいるさ
心配しなくっていいよ
とオオカミが笑った
はははん
ももたろうや
たけるのみこと
らいこうのことだな
2006・08・11(FRI)
八つ乳房
風上へむかって旅をしてみょう
甘くすえた白かびのような
腐りかけた剣の匂いがするだろう
そこがきみのふるさとなのだ
手と
足と
牙と
尾と
八つ乳房にて立つ母がいて
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