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 VIVA MICHIHICO MIGUMI

 WEB MUSEUM                

 Illustrator & Poet

 Atelier Snow_Drop

 

























コート・ギャラリー国立企画  LAPISMANIA XX


    鉛筆派展20記念展
      
共通課題テーマ「植物譜」を含む120点余りの鉛筆画作品の展示

 

               建石修志

               多賀 新

               深瀬優子

               高橋千裕

               尾崎眞吾

               佐藤三千彦

                  他、60余名(順不同)

 

 

 

 

        2022年1月6日(木)〜1月11日(火)迄
        AM 11:00 〜 PM 6:00 (最終日PM 4:00迄)

        1月9日(日)PM 4:00 多賀 新+建石修志トークショー

        コート・ギャラリー国立
        
186-0004 国立市中1-8-32
        TEL.042-573-8282 FAX.042-573-0023

                http://www.courtgallery-k.com/

 















































 













                  ------------------ 雪が降って来た。

                  ------------------ 鉛筆の字が濃くなって来た。


2022年  新年早々から開催される「鉛筆派」展の御案内をさせて戴きます。元はといえば、つたない自己流の鉛筆画で運よくイラストレーターとしてデビューしましたが、以来、鉛筆からカラーインク、アクリルガッシュへと画材を変えてきました。けれどもここ近年、混迷したまま現在へと至っています。そんな折り、画家・建石修志氏から声をかけて戴き「鉛筆派」展に参加することになりました。40余年ぶりの“エンピツガ”で右往左往しましたが、妙な楽しさや懐かしさを思いだす有意義な時間を過ごすことが出来ました。私のエンピツガは相も変わらぬよちよち歩きですが、60余名の方々によるバラエティー溢れる展示会です。宜しければ見て下さい。^_^

未だ先の見えないコロナ禍です。どうか、ご無理なく・・・・・・ 佐藤三千彦
 

                              

                  
                           Icon_ざくろの夢
                          150×150mm ; 2021






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バイエルンの薔薇摘み人

        一
列車がシンプロン・トンネルへさしかかった頃、私の隣で一人静かに食事をしていた老人が、やにわに話しかけてきた。男は東洋人ふうで、卜者だと名乗ってからこんなことをいった。 失礼だが、貴殿の謎を一つあばいてご覧にいれようか-----

        二
歴史を変えることはできないが、貴殿の青ざめた血には獣の匂いがしていた。冷たい鋼鉄の匂いもしている。だが思い悩むことはないだろう。次の駅のローザンヌあたりで下車をして、湖水地方でも散策してご覧なされ。その時、草叢で銀の針を拾うような又となき時の間に魔に溺るゝことであろう。一八九八年九月十日、死に取り憑かれた黒いぬばたまの貴婦人と出逢い、貴殿と婦人はそこで一つの生を切り開く・・・ 今日がその刻。

        三
老人は「一千年ぶりの帰郷ですわいな」と応え、サンクトペテルブルク、イルクーツク、ハバロフスクと回って旅順へ、そこからは船旅じゃ。と、独り言ちってしまうともう消えていた。

        四
ワゴンリーの応接食堂車(サロン・カー)はすでにシンプロン・トンネルを通過していた。白布の上のカンテナック86年が濃いルビー色を見せ、グラスからいまにも零れ散るかのような格好で妖しく揺れている。車窓の縁に飾ってあった花瓶の薔薇が匂っている。

        五
乳房から心臓左心室まで達する鋼鉄の刃による暗殺!のジレンマに、レマン湖畔を散策するオーストリア皇妃の幻影が浮かんだ。気高い鷲が錯乱してでもいるかのような皇妃の眼差しは、一八九八年九月十日、邪悪な罠を私に仕掛けるアフロディテよりも美しかった。

        六
-----Trap。・・・聖なる怪物を乗せた列車の尾はもうとっくにシンプロン峠の逢魔ヶ隧道を超えていた。そしてゆっくりと、ゆっくりと、ローザンヌという名のプラットホームにむかって減速をしていた。


      
                         Icon_一角獣は涙をなめる
                           424×348mm ; 2021

                       poem_バイエルンの薔薇摘み人






                            

 

                       



                            
                                               

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