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![]() イスの都 アトランティスの子守唄 海辺の階段 のぼって のぼって のぼってゆくと 崖の上に 白い ちいさな 家があった どの窓も 仏陀の手のひらのように 開け放たれて 中からは いい匂いがした 男は 二度 三度 秋の戸口へ立って挨拶したが 暗さのなかを ただからっぽの風が 吹きぬけた 崖の上からは なんでも よく 見えていたから のぼってきた階段の道を 男は 下った ![]() 無花果の実の樹があるところに ふるい 海の要塞があって 女がひとり 膝を抱きかかえながら 真裸で 座っていた そして 泣いていた いいや 歌をうたっていた 深みのある もの哀しい歌…… いいえ いい匂いのする ハミングであった だが 男の母親に似て 青白い肌が ![]() 弱々しかった 男は 眩暈がして その…… 女 を 抱いた 女は ちぐはぐな声で いま アトランティス の 子守唄 を歌っていた! と 海に 目配せする 大空の 下 青黒い肌の おおきな 影が まるで大陸のように ひとつ 沈んでいた 影は ときおり 水面へ浮き立ちて 男にわかるよう やはり 哀しい声で 歌ってくれた ![]() by_michihici SATO |
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